最終更新日 2016年9月14日 by tonton
性病とは、性感染症(STD=Sexually Transmitted Disease)で、性交などの性行為や粘膜どうしの直接接触によって、感染する疾患の総称です。
現在代表的な性感染症には、淋病、性器クラミジア感染症、梅毒、HIV感染症(エイズ)、性器ヘルペス、尖圭(せんけい)コンジローマ、ウイルス性肝炎、性器カンジダ症、膣トリコモナス症があります。
以前は梅毒が性感染症の中心でしたが、ペニシリンをはじめとする抗生物質の普及で激減しました。
そして現在はクラミジアや淋病、性器ヘルペス、尖圭コンジローマなどの、自覚症状に乏しく感染していることに気づきにくい疾患が中心となってきました。
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しかし、梅毒はクラミジアの10分の1の患者数ですが、2000年以降急激に増えています。
抗生物質が細菌に慣れてしまって効かなくなっていることも一因ですが、そればかりが原因ではありません。
社会環境の変化に伴って性風俗がファッション化してきたことや多様化していること、性行為の低年齢化などもあり、性感染症自体が増えていることも大きな原因です。
クラミジア感染症の年齢別罹患率を見ると、10代後半から増加し始め20歳代前半で患者数は最高となり、折れ線グラフでは大きく山を描いています。
一昔前は、夜になると商店街もスーパーマーケットも閉店してシャッターを下ろしていました。
夜遅くに出歩く中学生や高校生は塾帰りの子くらいで、寄り道するところと言えばファーストフード店かコンビニくらいのものでした。
夜の10時を過ぎて外を歩いている中学生や高校生を大人が見つければ不審に思い、「こんなところで何をしているの?早く帰りなさいよ」などと声をかけたものでした。
それが今では、カラオケボックスやネットカフェなど24時間オープンの店が増え、若者がPM10時以降に街を歩いていても誰も気にもしません。
また、働くお母さんが増えて休日は子どもだけという家庭も多く、彼の家に遊びに行って小・中学生で初体験というパターンも多いです。
性感染症の特徴としてあげられるのは、一般的には男性の方が女性よりも症状が強いことです。
女性は無症状のことも多く、自覚症状が乏しいために知らず知らずのうちに感染を拡大してしまうことが大きな問題です。
そしてパートナーが未治療であれば患者さんが再度感染することがあるため、パートナーの治療は不可欠です。
患者さんの治療が完了しても、パートナーが治療をしていなければ患者さんはまた感染することになり、これをピンポン感染と呼んでいます。
このピンポン感染のために、何度も繰り返す女性が多いことも大きな問題です。
彼氏に性病になったことが言えなかったり、彼にも病院で検査を受けて欲しいという事を言えないケースが大半です。
また、勇気を出して言ったとしても「俺は絶対に大丈夫。おまえがどこかで他の男に移されたんだろう」などと言われることも少なくないようです。
そしてそれが別れに繋がっていくため、こういった情報を知っている女の子は、彼に言う事ができずにピンポン感染を繰り返しているケースもあります。
性器ヘルペスでは、産道感染によって新生児がヘルペス脳症を来すことがあります。
妊娠しても定期検診を受けずに、陣痛が来たら飛び込みで出産する妊婦さんも増えているため、性器ヘルペスに罹っていても気が付かないで出産するケースもあります。
未受診出産のリスクを考えると、未受診出産は決してやってはいけません。
自治体によって回数は違いますが、何回かは無料で妊婦検診が受けられますし、経済的に出産費用をねん出することが難しい場合は助成制度もありますので、病院のケースワーカーなどに相談しましょう。
HIV感染者がエイズとして発症するまでには、長期間かかります。
教育や啓発が行われているにも関わらず、日本の新規HIV感染者やエイズ発症者は増え続けています。
先進国の中で日本は、HIV感染者やエイズ発症者の増加率が飛びぬけて高いことが世界的にも問題視されています。
コンドームは避妊具として有名ですが、避妊だけではなくこのような性感染症を予防するためにも非常に重要です。
感染予防のためには、コンドームを接触の始まりから最後までしっかりと着用することが大切です。
これはオーラルセックスの時も同様です。
1回のコンドームなしの性交渉で、淋病の場合、約50%が感染します。
梅毒では15~30%、HIV(エイズウイルス)では0.1~1%が感染すると報告されています。
女の子の口からは、「コンドームをつけて欲しい」とはなかなか言いにくいかもしれませんが、考え方によっては、彼があなたのことをどれだけ真剣に考えているか、あなたのことをどれだけ大切に思っているかを見抜くことにも繋がります。
あなたのことを本当に大切に思っているのなら、遊び半分ではなく真剣に愛しいと感じ、あなたのことを守りたいと思っているのなら、避妊や感染予防のことも真剣に考えるはずです。