最終更新日 2024年11月15日 by tonton
日本では多くの企業で、専属の弁護士が法務を担当しているのが一般的です。
1950年頃にアメリカ式の経営学が日本で支持されるようになったことが起因であり、商標登録や内規の制定を弁護士が担っています。
一般的に顧問弁護士と呼ばれていますが、この仕事を担っている弁護士は専属ではあるものの、他社とも契約をおこなっているのが基本です。
ここで詳しく顧問弁護士になるための道のりについても見ていきましょう。
弁護士になるために
まず弁護士になるためには、大学の法学部に在籍をしたのち司法試験を受けなくてはいけません。
2003年からが司法試験の受験資格は法科大学院を卒業した方に限定されているので、最短でも6年間は大学で法律を学んでいる方しかなることができないという特徴があります。
この司法試験は弁護士だけでなく検事・裁判官といった、法曹に携わろうとする方々全員が受けるものです。
試験内容もまったく同じではあるものの、合格点が3種で異なっているのが唯一の違いといえます。
弁護士であれば200点満点中85%の正解となっていて、年間約100名しか合格しない難関です。
この司法試験をパスして晴れて弁護士資格を取得できますが、ここから各法律事務所に就職して法務に携わっていかなくてはいけません。
企業の顧問弁護士になるには
企業の顧問弁護士になるには、どの法律事務所でもなれるというわけではなく、すでに企業と提携している企業弁護士事務所に就職することが第一歩です。
2020年8月時点で全国に計1万2,000件もの法律事務所がありますが、このうち顧問弁護士をして業務を担っているところは計6,200件です。
さらに細かく見ると、企業の法務を司る弁護士数は約8,200人もいます。
この数は若干飽和気味となっており、新たに業務を開始しようとした際は新規契約を可能とした企業に焦点を向けるのが望ましいと言えるでしょう。
顧問弁護士の成功報酬は、契約時に取り交わされる内容によって左右します。
例えば製造業であれば特許出願の事務手続きから、他社へ技術を提供する際の利用料等を明記した書類の作成を弁護士が担当するので、報酬は非常に高くなる傾向にあります。
平均的な成功報酬をリサーチすると、年商8億円以上の企業であれば年間約900万円の報酬が相場です。
この金額は民事・刑事事件を担当する弁護士の約3.5倍となっており、収入面でみると魅力的な業務ともいえるでしょう。
弁護士として独り立ちをするには
ここで注意をしておきたいのは、個人事務所を切り盛りして仕事をとっていない場合は、全額を自身で受け取れるというわけではないということです。
弁護士として独り立ちをするには、約15年は業務の仕方や法曹関係の勉強をしないといけません。
その勉強の場所となるのが、すでに実績を積み上げている事務所というわけです。
法律事務所に所属をした場合は一種の雇われ人という立場になるため、月給制で給与を受け取るのが基本です。
先述した年商8億円をこえる企業の法務を担当した場合、支払われる報酬はまず所属事務所宛てに支払われ、そこから業務を担当した方へと振り込まれます。
この金額の相場は月額40万円程度となり、残りは事務所が徴収します。
一見すると一般的なサラリーマンの給与と大差はありませんが、担当する企業は1社だけでなく複数となるので合算すれば月額数百万円はくだらない報酬を得られるというわけです。
顧問弁護士として働く場合
顧問弁護士として働く場合、最終的には独立をすることがゴールといえるでしょう。
この独立をするのに適している時期について見ていきます。
時期として良いのは大口の企業と契約を結べた時です。
東証一部に上場しているところや、新たな事業で成功する兆しがある会社と契約をすれば弁護士としての報酬が安定するだけでなく、自身のキャリアにも箔を付けることができるでしょう。
特に収入面の魅力が高く、これまで所属事務所に支払われていた金額を全額自身の手にすることができます。
独立をするには特に在籍していた事務所から制約を提示されることはなく、日本だと平均32歳頃から自身の事務所を立ち上げる弁護士が多い傾向です。
この時、ひとりでおこなうのも良いですが、事業を手伝ってくれる仲間を見つけて共同名義にするのが尚良いでしょう。
弁護士事務所を新しく設立するには
その理由として挙げられるのは、経費の負担を抑えながら事務所を設立できるからです。
弁護士事務所を新しく設立するには、約4,000万円もの費用が必要になります。
この金額をひとりで負担できれば問題はありませんが、大半の方が銀行から融資を受けておこなうのが基本です。
また数多くの企業をひとりで担当するにも負担が大きく、なるべく仲間と共に運営するのが良いという訳です。
弁護士という仕事は、とにかく依頼者から信頼をされないと成り立たない仕事になります。
まとめ
円滑な業務をおこないつつ、しっかりと報酬も手にするにはひとりでは難しいので協力者を募ることも大事な業務といえる職業になっているのが特徴です。