最終更新日 2020年1月16日 by tonton
⒈規模の大きい紛争や内戦の現実
日本にいるとあまり馴染みのないことですが、世界中のどこかにはいくつもの紛争地帯があり、毎日のように人が命を落としています。
大きなできごとだと日本のニュースでも報道されることがあるでしょう。
その中で最も規模が大きいのはアフガニスタン紛争で、1978年から現代まで何かしらの争いが続いています 。発端となったのは1978年にアフガニスタンで共産主義の政権が成立したことで、それに藩閥する形で武力蜂起が行なわれました。
政権はその武力に対抗することができなかったため、同じ共産主義のソ連に助けを求めます。
そしてその翌年の1979年にはソ連が軍事侵攻を果たし、改めて共産主義政権を成立させます。
ただ争いはそれで終結したわけではなく、いくつもの武力運動が繰り広げられました。
また世界中でソ連の介入に関する賛美両論が巻き起こったため、1989年には撤退しています。
アフガニスタンで共産主義の成立が困難だった理由には、もともと複数の部族が大きな権力を持っていたことが挙げられます。
そこに宗教的な問題も加わって、規模が大きいものとなりました。
いくつもの政権や宗教的な対立が数十年に渡って広げられ、時には周辺の地域を巻き込むこともあります。
またその逆もあるため、中東全体が危険というわけです。
⒉紛争が起こってしまう原因
またアフガニスタンに近い中東のシリアも、内戦が起こっている紛争地帯です。
元々は2011年に起こったチュニジアの民主化でもがきっかけで、中東や北アフリカなど数多くの地域に広がるアラブの春という反政府運動に発展しました。
そのひとつにシリアも含まれた形です。
最初こそシリア軍と反体制派の争いという単純な構造でしたが、そこに他の自治体や過激派組織も加わることで戦闘が拡大していきました。
内戦ではありながら国内だけの問題に留まらず、アメリカを始めとする多国籍軍やロシアなど数多くの軍事介入が行なわれたことも戦闘激化の要因です 。さらにそれぞれの国は政権を打倒したい側と援助したい側に分かれていたため、代理戦争のような様相を呈しました。
中東という世界から見ても立ち位置が難しい場所にあったことや、宗教的な問題などが複雑に絡み合ってしまったため、全てが解決するには途方もない時間がかかります。
そして戦闘で犠牲になった人は40万人以上に及びます。
さらに歴史的なスポットや現代的な建物も悉く破壊されつくされてしまったため、現在進行形の負の遺産と言えます。
また外国の軍事介入によって紛争地帯となった例としては、イラク戦争も挙げられます。
きっかけはニューヨークで起こった同時多発テロや大量破壊兵器の保有疑惑などで、アメリカを始めとする複数の国が武装解除の名目で介入しました。
名目上の大量破壊兵器は発見されませんでしたが、イラク国内の治安が悪化したことなどから、戦争は2003年か2011年にかけて続けられ、最終的にはイラクの単独自治ができる状態にはなっています。
ただそれ以降も数多くのテロや過激派による占拠などが行なわれているため、危険地域の域は脱していません。
⒊危険度レベルが高い紛争地帯は多い
紛争地帯といえば中東やアフリカのイメージが強いかもしれませんが、中米のメキシコも麻薬を巡る争いが絶えません。
非常に大きなビジネスとなる麻薬は、古くからメキシコで取り扱いを独占するカルテルが組まれてきました。
特にアメリカという大きなマーケットが隣にあることから、大勢の人がその権利を奪い合う傾向があります。
そしてそれはメキシコ政権を巡る程の規模にまで膨れ上がります。
政権は麻薬に反対して撲滅を目指す立場にあり、特に21世紀に入ってからは大量の警察官を導入してカルテルを終結させる動きを見せました。
もちろんカルテルはそれに反発して、2008年にはその争いが激化しています。
カルテルの規模は政府の手に余る程なので、政府による一方的な鎮圧というわけにはいきません。
アメリカの一部にまで勢力を伸ばす上に、戦闘能力も高いです。
さらに政府とカルテルだけでなく、カルテル同士の争いもあるため、1年の間に1万人の犠牲者を出した年もあります。
そのため世界で見ても比較的大きな規模になってしまっている紛争地帯です。
さらに他の地域と比べると、大きな争いが起こったのが比較的近い時期ということです。
そのため場合によってはより危険に近いとも考えられます。
⒋まとめ
日本の外務省のページには、1から4のレベルで危険度が設定されています。
レベル1だと要注意ですが、レベル3だと渡航はしてはならず、4になると退避をしなければなりません。
そしてここまでのアフガニスタンやシリアにイラクは当然レベル4で、もし日本人が足を運ぼうものなら命の保証がありません 。またここまで挙げてきたものはあくまでも規模が大きな紛争地帯のみで、範囲を国家から地域に絞るとその数は非常に多いです。
興味がある人は外務省の世界地図で確認してみると良いでしょう。
レベル4の地域の多さがわかります。
日本ユニセフより引用